JTBがクルーズ事業で攻勢をかけています。

2003年には、セゾングループに属していたクルーズの先駆け的存在であった「PTS」の一部事業を吸収して、ツアーの仕入れ部門を強化しました。

さらには、昨年には東京の銀座に「JTBクルーズ銀座本店」を開店したのみならず日本全国のJTBの店にクルーズに精通したスタッフを展開し相談体制を充実しようとしています。

というのも旅行の分野では、折からの円安傾向もあり、外国から日本にやってくる観光客がターゲットとなっています。

日本から外国へ旅行する観光客は、伸び悩み傾向が見られますが、クルーズだけはまだまだ期待できる分野となっています。

世界のクルーズ市場と日本市場の可能性

世界のクルーズ市場は、2000万人を超えています。

そのうち半数以上をアメリカ人が占めており、カリブ海クルーズを中心にクルーズを楽しんでいます。

一方で、世界第3位の経済力を誇る日本人でクルーズに出かけているのはわずか20万人くらいです。

この理由は、日本ではクルーズはまだまだお金と時間に余裕があるリッチな高齢者層のものだと思われているからです。

日本の代表的な客船である飛鳥Ⅱは、プレミアム客船でもあり、クルーズ1泊当たり5万円が最低で、20日のクルーズでも100万円ととても気楽に乗れる船ではありません。

飛鳥Ⅱ
飛鳥Ⅱ Photo by Kabacchi

また、フォーマルナイトの服装や船内マナーも厳しいものがあり、一般客が敬遠している理由となっています。

ところが、昨年辺りから急速に風向きが変わりつつあります。

外国クルーズ会社が、次々に大型船を日本発着クルーズに投入してきており、飛鳥Ⅱのような贅沢なクルーズ船に対抗して、1泊1万円にとどかないカジュアルクラスによるクルーズが多くなり、日本人クルーズ客が倍加してきています。

JTBは「フライ&クルーズ」事業を強化

こうした傾向から、JTBでは、2020年までには日本人クルーズ客が60万人まで増加すると予想しており、そのうちの20%のシェアを取りたいと考えています。

このシェア獲得の大きな原動力となるとしているのが「フライ&クルーズ」です。

つまり、出港地、寄港地間を飛行機で飛び、現地ではクルーズ船で周るというスタイルです。

その一例が、「【コスタ・ディアデマ】限界に挑船!新造船コスタ・ディアデマで航く 夢の西地中海クルーズ 11日間」というフライ&クルーズツアーです。

東京成田から飛行機でスペインのバルセロナに飛び、バルセロナ観光をしてホテルで1泊後、新造船で13万トンの豪華客船でパルマ・デ・マヨルカ、ナポリ、ラ・スペツィア、サボナ、マルセイユ、バルセロナとスペイン、イタリア、フランスの地中海を周遊して、飛行機で成田に帰ってきます。

コスタ・ディアデマ Costa Diadema
コスタ・ディアデマ Photo by Nuccia Faccenda

これが全部込みで、20万円いきませんから相当に割安です。

なぜ、こんなに安くなるかというと、陸のツアーでは、日中にバスや鉄道で移動しますが、クルーズの場合は寝ている間に移動しますので、非常に効率的で安くできるわけです。

こうなると毎朝早く起こされて、スーツケースを抱えて移動していく陸のツアーが馬鹿らしくなりますね。