釜山は韓国を代表する港湾都市で、「釜山港へ帰れ」などの歌謡曲の影響もあって日本でもよく知られています。

かつて釜山は、富める山と書かれていました。15世紀以降、お釜を伏せたような形野山の姿から、お釜の山、釜山と表記されるようになったと言われています。

釜山港から車で40分ほどの郊外に韓国五大寺院の一つに数えられている由緒あるお寺、梵魚寺があります。

約1300年前の新羅時代に高僧によって建立されたと伝えられています。

見どころの一つが、9世紀に作られた三層石塔です。

釜山港の沿岸には、この地域を代表する繁華街、南浦洞です。

国際映画祭なども行われるため、海外からの観光客も多く訪れる釜山の人気ナンバーワンエリアです。

トッポギや餃子、韓国風おでんなどの屋台が並び、活気にあふれています。

さらに活発な貿易と湊町釜山を象徴するスポットが、チャガルチ市場です。

韓国最大級の水産市場で、アジメ、この地方で「おばさん」と言う意味ですが、威勢のよい女性たちが新鮮な魚を提供してくれます。

チャガルチとは小石や砂利を指します。

朝鮮戦争当時、砂利の敷かれていたこの場所に避難民や戦争未亡人が集まって海産物を売ったのが市場の始まりだと言われています。

鮮度抜群のアワビやタコは釜山名物として日本人にも人気です。

手際良く捌かれる様子を見ているとこの新鮮な魚を食べてみたくなります。

そんな自然な欲求をこの市場は満たしてくれます。

一階の市場で買った魚は二階で食べることができます。

韓国ではコチュジャンをつけ、サンチュなどの野菜に魚を巻いて食べるのが一般的です。

エネルギッシュな港町、釜山を後にしたサン・プリンセスは再び日本海クルーズに出ました。

この後は、賑やかな博多どんたくを体験します。

話題の日本初就航、サン・プリンセスの日本韓国クルーズは7日目になりました。

海の上で贅沢な時間を過ごすのも船旅ならではの楽しみです。

ロータススパには、様々なトリートメントメニューが用意されていて、疲れた体をリフレッシュしてくれます。

何と船上では珍しい認定鍼療法士による本格的な鍼治療まで体験できます。

このスパで人気のメニューがアロマストーンセラピーで、温めた玄武岩とアロマオイルで身体の血行を良くし、リラックスさせて心身のバランスを整えてくれます。

ここでは、英語圏のスタッフには日本語を勉強させ、日本語のスタッフは英語を勉強しているので、安心して行くことができます。

サン・プリンセスは、最後の寄港地である博多港に到着しました。

今回のサン・プリンセスの入港は、博多港のある福岡市にとっても経済効果など影響は小さくありません。

市の関係者やマスコミが集まって、歓迎式典が開かれました。

福岡市長からも、サン・プリンセスの博多寄港を大歓迎するとの挨拶がありました。

福岡市長から船長に博多人形の記念品が手渡されました。

博多港に停泊したサン・プリンセスを離れ、車でおよそ1時間、福岡県のお隣佐賀県の唐津市に着きました。

唐津市は、古くから白砂青松の美しい風光明媚な場所として知られてきました。

沿岸に広がる虹の松原は防風林としての役割を果たしてきたため、唐津藩により守られてきました。

もう一つ、藩の保護を受けていたのが唐津焼です。

唐津焼は、朝鮮半島などの技術をもとに発展した伝統的な陶器です。

登り窯を使うなど共通した部分も多くあります。

かつて東の瀬戸に対して西の唐津と言われるほど隆盛を極めました。

今では、多くの窯で実際に絵付けの体験ができます。

素焼きの皿に鬼板と呼ばれる鉄の溶液で絵柄を描いていきます。

絵唐津と呼ばれる手法で、自然の草や木鳥などを題材にすることが多いそうです。

クルーズの乗客たちも思い思いに絵柄を描いていました。

絵付けされた皿は、窯で焼かれ、2ヶ月ほどで自宅に送られてきます。

作品が届くまで出来上がりを想像して過ごすのも旅の余韻として楽しいものです。

博多の街に戻ってきました。

年に一度のお祭、博多どんたくです。

港に停泊しているサン・プリンセスでも、どんたくに参加する準備が進んでいました。

今回はじめてクルーズに参加したという石田さん一家も、どんたくに参加するためにツアーの申し込みをしました。

どんたくのパレード参加ツアーだそうです。

200万人が全国から集まるパレードも、東京からではなかなか見ることもかなわないのに、それが参加できるということですごい魅力でしたとのこと。

博多どんたくが行われる二日間、博多の街には国内外から約200万人の観光客が訪れます。

まさに日本最大級のお祭りです。

観覧席にはサン・プリンセスの乗客たちも、お祭りを見るために集まってきました。

街の目抜き通りには、どんたく隊と呼ばれる踊り手がパレードを繰り広げます。

参加者の多いパレードは何と6時間も続きます。

博多どんたくは、正月にこの地方で行われていた博多松囃子が元になっています。

明治維新により、一時松囃子は禁止されましたがその後改めて復活させるために、どんたくという名称が使われるようになりました。

サン・プリンセスの乗客たちも、おそろいの法被を着て出発の時を待ちました。

ただ見るだけではなく、一緒にパレードに参加することは意義のあることです。

サン・プリンセスの乗客たちで構成された「サン・プリンセス初入港記念どんたく隊」も明るく陽気に行進しました。

どんたく帯は、様々なスタイルで行進しますが、サン・プリンセスのどんたく隊のように、しゃもじを叩きながら練り歩くのが本来のスタイルです。

何度も中断や禁止されてきた博多どんたくですが、そのたびに復活してきました。

どんたくは、決してくじけない福岡市民の情熱の証なのかもしれません。

岸壁の松囃子に見送られてサン・プリンセスは、博多港を出港しました。

潮風が通り抜けるオープンデッキで日本人だけでなく外国人の方々も、祭の余韻を楽しんでいました。

クルーズディレクターのジェイジェイ・ウルリッチさんによると「船には日本や北米、ヨーロッパなど様々な国の方が乗船されています。クルーズでは、イベントやアクティビティー、食事など各種のお楽しみが満載で素晴らしい寄港地とともに楽しんでいただこうと思っています。」都のコメントがありました。

クルーズディレクターの方が言うように、船旅を楽しむのに外国も日本も大きな違いはありません。

クルーズのクライマックスでは、残り少ない洋上の時間を惜しむように陽気に過ごしていました。

バンドが演奏するオールデイズの音楽に合わせて、様々な世代、様々な国の乗客が体を動かし、心を開放しているのが伝わってきました。

躍動する楽しさを感じながら、クルーズ最後の夜が更けていきました。

ふだん見慣れている風景が思いがけず輝いて見えることがあるように、視点を変えることで大切にされてきたものの本当の価値に気づくことができる、頑なな心を少し開放し新たな一歩を踏み出すことができれば、新鮮な驚きに満ちた人生が待っている。

日本発着の新たなクルーズは、心を解き放つ手助けをしてくれるのかもしれません。