日本のクルーズ史上最大のにぎわいを見せたのが2013年のゴールデンウィークです。

多くの外国船が来航する中、クルーズファンの間で最も話題に上がったのがプレミアムクラスの客船、サン・プリンセスの日本就航です。

約3ヶ月にわたる、外国船による日本発着クルーズは史上初のことでした。

クルーズ業界の黒船来航とも、新時代の始まりを告げるサン・プリンセスの日本クルーズを紹介します。

なお、管理人はこのクルーズに乗船していたわけでもありませんので、情報源は、BSの「世界の船旅」を参考としました。

2013年4月、ゴールデンウィークがはじまったばかりの横浜港にサン・プリンセスが停泊していました。

世界三大クルーズ会社の一つ、プリンセス・クルーズが日本初就航させた客船です。

総トン数77,000トン、全長261m、全幅32m、乗客定員2,022名、乗組員数900名、巡航速度21ノットのクルーズ客船です。

プリンセス・クルーズは、今回サン・プリンセスによる日本発着クルーズを約3ヶ月にわたって就航させました。

海外船が横浜港を基点に、これほど長期のクルーズを計画するのは史上初のことです。

日本の港から一歩踏み出せば海外船の洗練されたサービスが気軽に楽しめます。まさに新しいクルーズ時代の始まりといえるでしょう。

たくさんの見物客に見送られてサン・プリンセスは、横浜の大さん橋を離れました。

見慣れた横浜の港も外国船から見ると違って見えるそうです。

夕方に横浜港を出港しましたので、徐々に暮れてゆく海上を航行していきました。

その内に、サン・プリンセスの船内では鏡割りが行われました。サン・プリンセスは外国船なので、鏡割りを行った5人は、一人をのぞいて全て外国の方でした。

その後、鏡割りのお酒が振る舞われ、二人の三味線の演奏も行われました。日本ならではの演出に、初めて外国船に乗って緊張していた乗客もホッとさせられたようです。

今回のクルーズは、横浜を出港し、2つの世界遺産を持つ広島、鎖国時代外国への窓口であった長崎、さらに韓国・釜山を訪ねた後どんたくで賑わう博多をめぐるサン・プリンセス日本初就航の船旅です。

グラハム・グッドウェル船長によると「日本は素晴らしい国で、個性的な寄港地がたくさんあり、今回訪れる場所も素晴らしいところばかりです。」と述べました。

日本をめぐる船旅でも、デッキのプールやジャグジーにはインターナショナルな気分にひたれる、外国船ならではの気軽さと魅力にあふれています。

また、日本人クルーも多数乗船していて、外国語が苦手な日本人へのレセプション対応などスタッフやサービスが配慮されています。

船内のライブラリーにも日本語の本も多数揃っています。

安心、くつろぎというコンセプトは、もちろん大海原で過ごす客室にも受け継がれています。

潮風や優しい光が心地よさを自然に演出してくれます。

キャビンの料金は、オーナーズ・スイートの9泊10日で669,000円で、木の質感を活かした部屋でのんびりと過ごせます。
大理石を多用した広いバスルーム、明るい光が差し込むバルコニー付きの空間は実に開放的です。

プレミアム・ミニ・スイートは、389,000円です。もちろん、クルーズ代金には乗船中の宿泊、食事代が含まれています。

スイートからリーズナブルな部屋まで、様々なニーズに合わせて客室のラインナップは充実しています。

食事の時間となりました。

24時間営業のビュッフェレストランのホライゾンコートでは、食欲をそそる香りが漂っていました。

新鮮な野菜やフルーツ、様々な料理などが自由に楽しめます。

海外クルーズでは洋食が中心になるメニューですが、今回は和食も充実しています。

朝はご飯じゃないと食べた気がしないという人にはおすすめです。

ゴールデンウィークの日本発着ということで初めてクルーズを体験する乗客も少なくありません。

そんな乗客たちに人気があったのがダンスや音楽を楽しめるビスタ・ラウンジで行われたダンス教室のワルツのレッスンです。

ボールルームダンス(社交ダンス)チャンピオンのカティア&イリアさんによるレッスンです。

船旅を堪能しようという人々が、日が傾くまで熱心にステップを踏んでいました。

クルーズ3日目、サン・プリンセスは瀬戸内海に入りました。

夜が明けるにつれ、船の周りには牡蠣の養殖だなが目につき始めました。

最初の寄港地、広島港はすぐそこです。

広島市は世界遺産に登録されている原爆ドームや平和公園とともに国際平和文化都市として世界にその名が知られています。

さらに広島にあるもう一つの世界遺産を訪ねます。安芸の宮島にフェリーで渡ります。

この宮島では古から農作物や生活必需品が渡し船で運ばれていました。島そのものがご神体とされ、開墾や機織りが禁じられていたからです。

沖合に立つ鳥居が神聖な場所としての威厳を今でも示しています。

6世紀末に創建された厳島神社は、平安末期に平清盛をはじめとする平家の信仰を集め大きく発展しました。

参道に並ぶ門前町には、宮島発祥の広島名物があります。岩村もみじ屋をはじめとするおなじみもみじ饅頭です。明治時代後期に発案されて以来、広島を代表するお土産として親しまれています。

広島の名物といえば、忘れてはいけないものがもう一つ、広島焼きとも言われるお好み焼きです。

広島市内にあるお好み村には、「新ちゃん」をはじめとする約30店舗のお好み焼き屋が軒を連ねています。

ボリュームたっぷりなのにアッサリと頂ける広島のお好み焼き、やはり本場で食べると一味違います。

広島港に停泊しているサン・プリンセスの船内では、この夜、珍しい伝統芸能が披露されました。

広島市の八幡神社に160年以上も昔から伝わる神楽で長く途絶えていたものを平成9年に復活させたもので、高井神楽団が「土蜘蛛」を演じました。

これは、源頼光に襲いかかる土蜘蛛を退治するという平安時代の物語で、歌舞音曲だけではなく神話や伝説を題材にした物語りのある神楽となっています。

翌朝早くサン・プリンセスは広島港を出港しました。

この後船は、関門海峡を抜け、歴史に彩られた港町長崎から、韓国・釜山をめぐります。