今年に入り、クルーズ船の日本寄港が急速に増加しています。

この現象の負の面については、前回の記事で紹介しました。

博多港でクルーズ船急増の影響が深刻化。バス不足で福岡市内小中学校の学校行事が延期に。

しかし、地域としては、クルーズ船増加による立ち寄り観光客が増えること自体は、経済活性化ひいては地域振興のためには必ずしも悪いことではなく、逆に良い面も多くあります。

その一つが、クルーズ乗船客によるショッピングです。

中国人の爆買いに代表さるれショッピングは、食事、観光と並んで地域にとってありがたいものです。

クルーズ客は地元に不案内こともあり、自分でプラプラと商店街を気ままに歩くことはできません。

旅行社のガイドに連れられて、ショッピングセンターや観光地に行きそこで買物をするのが一般的です。

博多港がある福岡市の場合、そのクルーズ乗客が目指すショッピングセンターの代表格が博多駅近くにあるキャナルシティです。

キャナルシティは大規模複合商業施設で、多数の物販店、飲食店の他にも四季のミュージカルもあるキャナルシティ劇場、グランドハイアットホテル、ラーメンスタジアムなどがあります。

福岡市 キャナルシティラオックス店 Laox

キャナルシティ連れて来られたクルーズ乗客は、思い思いにこの大きなキャナルシティにショッピングやグルメを楽しむわけですが、とりわけ免税店であるラオックスに集中します。

キャナルシティのラオックスは、2012年4月、九州初上陸として進出してきました。

私も、時々キャナルシティに立ち寄ることがありますが、ラオックスの店には、必ずしもクルーズの乗客ではありませんが、中国人の買い物客でごった返していることがよくあります。

ラオックスは、東京・秋葉原を本拠とする免税店で、主な客層は中国人観光客です。

元々は、普通の家電量販店でしたが、2009年に中国の大手家電量販店チェーン蘇寧電器傘下となったもので、家電だけでなくホビー関係、民芸品、ブランド品、服飾など多岐にわたる商品を販売しています。

店員にも中国語を話す人が多く、この面でもこと中国人観光客相手では、他の量販店よりも優位に立っています。

さて、福岡ではキャナルシティに立ち寄ったクルーズ観光客は、他の場所にも行きます。

例えば、太宰府天満宮のある太宰府、福岡タワーのある百道、ヨットハーバーとショッピングセンターがあるマリノアシティなどです。

ラオックス太宰府店とラオックス福岡マリノアシティ店

そこで、ラオックスは考えました。

キャナルシティだけでなく、クルーズ観光客が行く大宰府や福岡マリノアシティにも店舗を作り、そこでもショッピングしてもらおうと。

つまり、福岡地区に店舗網を築き、購買客を取り込もうという戦略です。

太宰府では、太宰府天満宮の参道に出店する予定ですが、さすがに参道の他のお土産店などとのバランスを考えて小規模店とし、商品も美容家電に絞るようです。

マリノアシティ店では、そのような制約はあまり無いでしょうから、比較的自由な店舗を展開するものと思われます。

九州他県にも展開

ラオックスは、福岡県内には太宰府、福岡マリノアシティと2ヶ所に店舗を展開予定ですが、すでに長崎には、長崎グラバー店、長崎松が枝ターミナル店、タワーシティ長崎店と3店も営業しています。

また、沖縄にも沖縄国際通り店、沖縄あしびなー店と2店展開しています。

今後、ラオックスは、福岡、長崎、沖縄以外には佐賀、大分への進出計画があるようです。

宮崎県油津に入港したクァンタム・オブ・ザシーズの爆買い騒動

ここで、思い出すのは、今年8月、宮崎県油津にアジア最大の客船「クァンタム・オブ・ザシーズ」167,000トン、乗客4,000人以上が入港した時の騒動です。

乗客のほとんどが中国人観光客で、これらの観光客は近くの日吉津村を訪れました。

日吉津村の人口は3.455人とクァンタム・オブ・ザシーズの乗客の数よりも少ない村です。

報道によると、村を訪れた中国人観光客らが村内の店舗で“爆買い”したため、
わずか数時間で商品がほぼなくなったそうです。

同村は人気の観光地ではありませんので、これまでに観光ツアーで一度に訪れた人は最多でも200人ぐらいだそうです。

それが今回は村の人口も上回る4,000人以上の中国人が訪れ、爆買いしたため、村人の必要な商品まで無くなったそうです。

また、中国人乗客にしても、彼らの購買意欲が全く満足されずに、不満たらたらだったそうです。

クルーズブームで、各自治体は誘致に躍起ですが、福岡市のバス不足による学校行事の延期やシ宮崎のョッピングの受け入れ体制の不備など、ただクルーズ船が来ればいいだけでなく、地域住民への影響、クルーズ船乗客などのニーズを良く把握して誘致していただきたいものです。