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福岡市・博多港でクルーズ船対応の連絡協議会が発足し、第1回会合が開催されました。

観光客

福岡市・博多港の外航クルーズ船急増について

福岡市・博多港がクルーズ船の来航が急増し、観光等に使用するバスが不足して小学校の行事などに影響が出ていることは、当サイトでもお知らせしました。

博多港でクルーズ船急増の影響が深刻化。バス不足で福岡市内小中学校の学校行事が延期に。

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福岡市によると、今年8月までの外航クルーズ船の来航は、146回です。

福岡市の博多港国際ターミナルの国際状況客数は平成24年で約85万人と20年連続で日本一です。

また、外航クルーズ客船寄港回数も平成24年で91回と日本一で、今年はすでに昨年の寄港回数を大幅に上回っている状況です。

今年の146回の寄港の内、中国発着の船が9割を超えています。

つまり、中国からのクルーズ船が爆発的に増加しており、それに伴いいろいろな問題点が生じているわけです。

クルーズ船急増に関する連絡協議会

これらの問題の解決しようと福岡市が立ち上げたのは連絡協議会です。

なお、この情報は、ローカル紙、西日本新聞の2015年9月12日付けの記事で得たものです。

ちなみに、福岡市や福岡市港湾局の公式サイトをチェックしてみましたが、この件についての情報は見当たりませんでした。

協議会の参加者は、中国人観光客が殺到している免税店ラオックスが入っている商業施設のキャナルシティや同じく観光スポットの太宰府天満宮などの施設をはじめ、福岡県警、観光バスを所管している九州運輸局、福岡県貸切バス教会など約30施設・団体等です。

第1回の会合は、9月11日に博多港の中央埠頭クルーズセンターで行われました。

主な議題は、やはりキャナルシティなどの福岡市中心部で発生している交通渋滞だったようです。

この交通渋滞、とりわけ観光バスの駐停車場が不足している問題に対して、福岡市は8月に舞鶴中学跡地にバス15台分の駐車場を整備した他、9月15日には福岡競艇場の駐車場の一部もクルーズ客向けに利用できるようにするとしています。

しかし、問題は、キャナルシティに来る中国人観光客がキャナルシティの横で乗降するスペースが不足していることですから、舞鶴中学や競艇場にバスの駐車場を設けても多少の効果はあるでしょうが、根本的な解決にはなっていません。

キャナルシティの横で、中国人観光客を降ろして、そのごバスは市内のどこかの駐車場で待機し、買い物を終えた頃、乗せるためにキャナルシティの横に来ることになっています。

西日本新聞の記事によると、駐車場のさらなる整備を求める声のほか、「時間帯や行き先をもっと分散すべきだ」、「中国側にも現状を伝える必要がある」と言った意見が出たようです。

とりあえず、クルーズ船の急増に伴う関係機関、団体が一同に会して意見や情報交換をする場ができたのは良いことだと思います。

日本全国の港湾関係者や自治体は、クルーズ誘致に躍起な所も多いと思いますが、福岡市・博多港を例に、クルーズ船の急増に伴う諸問題を研究・分析し、適切な対策を取ることが喫緊の課題でしょう。