5 日本の都市・港

博多港でクルーズ船急増の影響が深刻化。バス不足で福岡市内小中学校の学校行事が延期に。

博多港 バス

海外から福岡を訪れるクルーズ船が急増しています。

そのため、貸切バスが不足している事態になっていますが、とうとうバスが確保できずに学校行事を延期せざるをえないことになってしまいました。

福岡の地元のローカルTVによるとそのような小中学校が10校にのぼるとしています。

南当仁小学校の自然教室延期

そのうちの1校が福岡市立南当仁小学校で、5年生が今学期行くはずの自然教室が難しくなりました。

当初、10月に2泊3日の自然教室に5年生の100人が佐賀県の自然施設に行くことを計画していました。

自然体験や調理、キャンプファイヤーなど普段の学校生活では得られない体験を通して学ぼうと言うカリキュラムです。

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福岡市では、全ての小中学校で、小学5年生と中学1年生で1学期から2学期にかけて例年実施されています。

しかし、南当仁小学校では来月の実施を断念しました。

校長の話によると、「バスが配車できない」ということです。

担当の5年生の先生が下見に行っていましたが、バスが配車できないということが分かり、2学期中は難しいと判断したそうです。

福岡を訪れる海外からのクルーズ船の増加によって、一気に需要が高まっているのが大型の観光バスです。

博多港 バス博多港の大型バス Photo by Fukuoka Now

秋の観光シーズンとも重なって、子どもたちのバスを確保できなかったのです。

南当仁小学校では、バスが確保できないので、観光シーズンの終わる来年1月に自然教室を延期しました。

当初予約していた標高の高い山に立地している施設の予約をキャンセルし、冬でも活動が可能な別の施設への変更を検討しています。

校長の話によると、「キャンプファイヤーは、キャンドルの集いと言う形で施設の中でしようと考えています。ただ、心配なのは1月ということでインフルエンザの流行等で子どもたちの中で行けない子が出てこないかということです。」とのこと。

福岡市の自然教室実施におけるバス不足の対応

福岡市教育委員会が把握しているところによると、小学校8校、中学校2校がバスを確保できないことを理由に自然教室を延期しているそうです。

自然教室の送迎バスについては、福岡市教育委員会が一括して入札を行って調達しています。

2014年度予算は、4,400万円でしたが、需要の高まりによる値上がりを見込んで、今年度は1,000万円上乗せして、5,400万円となっています。

この予算で入札を行いましたが、バス会社の提示額は約8,000万円で、入札は成立しませんでした。

予算をある程度超過すると調達は難しくなりますので、福岡市教育委員会の学校支援課としては、仕切り直しして、個別にバス会社に、月ごと、会社ごとにバラして契約をしたそうです。

2学期に自然教室を予定していた118校の内、108校のバスを確保しましたが、そのうち50校は学校側が自力で探したそうです。

自然教室は、子どもたちの健やかな成長のために福岡市が特に力を入れている学習カリキュラムで、費用も公費で賄われています。

福岡市教育委員会では、来年度の実施に向けてバス会社などと話し合いを行う予定ですが、クルーズ船などの高まる需要の中で有効な解決策を見いだせないのが現状です。

福岡市のクルーズ船寄港誘致と問題対策の横断的連携について

中国人の爆買いなどで、沸き立つ福岡市ですが、一方ではクルーズ船増加によるこのような弊害なども目立ってきています。

福岡市でも、クルーズセンター新設などクルーズ船寄港を誘致するセクションがあり、かなり頑張っていますが、クルーズ船寄港による諸問題にどう対策するかの行政の横の連絡もますます重要になっています。

全てがクルーズ船寄港のせいではないと思いますが、かなりの部分で影響がでていますので早急な対応が望まれます。