2015年5月7日の各種報道によると、韓国政府もいよいよクルーズ産業の活性化対策とマリーナ産業の戦略的育成対策に乗り出してきました。

考えてみれば、日本発着の外国船は、カポタージュ規制のため必ずクルーズ中に外国に寄港しなければなりません。

そのため、韓国の釜山、済州島など近場の港に行っているのです。

釜山港 Busan Port
釜山港 Busan Port Photo by Jens-Olaf Walter

これはこれで韓国も潤っていると思いますが、寄港するのは外国クルーズ船だけで韓国籍のクルーズ船はありません。

一方、韓国海洋水産部の資料によると世界のクルーズ観光客の規模は次の通りです。

  • 2013年 2098万人
  • 2015年 2239万人(予想値)
  • 2020年 3700万人(予想値)

これほどの成長産業のクルーズをもはや韓国でも見過ごせないとなったのでしょう。

韓国海洋水産部長官の発表、韓国籍クルーズ船を来年上半期以降運航に

5月7日、ユ・ギジュン海洋水産部長官は経済関係長官会議で、クルーズ産業の活性化対策とマリーナ産業の戦略的育成対策を発表しました。

参考記事 「国籍クルーズ船、内国人が出入りできるカジノを許容」 もっと!コリア

この政策の数値目標は、2020年までにクルーズ観光客300万人の誘致と1万2千人の雇用創出です。

具体的な施策として、外国人クルーズ観光客の誘致拡大、国籍クルーズ船社、関連産業の育成、制度完備などです。

そのため、外国人クルーズ観光客の誘致拡大策として、2016年までに釜山、仁川、済州、束草(ソクチョ)に専用埠頭5バースを拡充し、既存の埠頭の接岸能力を拡大することにしています。

また、海洋水産部は、「5月、今月中に韓国内と日本の主要観光地に寄港する国籍クルーズを2度試験運行し、出入国審査や専用埠頭の使用などクルーズ運行に伴う発生しうる不具合の改善をするつもり」としています。

この国籍クルーズの意味がよくわからないのですが、韓国はクルーズ船を保有していないので、外国船で韓国主催のクルーズをする意味でしょうか。

また、早ければ来年上半期には、国籍クルーズ船が運行できるようにする方針とのこと。

国籍クルーズ船運行のために、「観光振興開発基金」の融資と産業銀行・水産業協同組合銀行などのクルーズ船買い入れ資金の支援、クルーズ船運送事業に対するトン税制の運用などの金融税制支援も積極的に推進する計画だそうです。

つまり、韓国籍のクルーズ船を来年上半期までに就航させるつもりです。

あと1年くらいで、クルーズ船を運行させるなどできるのかは素人考えですが大いに疑問があるところです。

また、2019年までには、クルーズ乗組員を500人養成し、母港として運営される主要港湾にクルーズ船向けの物流センター建設するとしています。

クラブハーモニー号の運航停止と船上カジノについて

ここで、思い出すのが「ハーモニークルーズ」の「クラブハーモニー号」26,000トンです。

クラブハーモニー Club Harmony
クラブハーモニー Club Harmony Photo by mR.Son.Photo

2012年2月に韓国籍のクルーズ船として就航しましたが、乗客定員の半分以下の集客しかできず、累積赤字400億ウォンで2013年1月にはあえなく運行を停止してしまいました。

この騒動で、「カジノさえあったら・・・」と言う声がありました。つまり、クラブハーモニーの外国人乗船率は5.5%しかありませんでしたが、この外国人集客の悪さは船上でカジノを運営できなかったのが理由としています。

当然、このことは来年の韓国籍クルーズ運行でも重要とされますが、船上カジノについては、カジノの許可権を握っている文化体育観光部が強く反発しているそうです。

文化体育観光部によると、「船上カジノへの内国人の出入り許容は、オープンカジノへ許容する方へ誤解をまねきうるので、全く議論されたこともなく、現在では不可能だ」としています。

以上のように、韓国海洋水産部としても、とにかく近年のクルーズブームに遅れまいと乗り出してきましたが、まだまだ道は遠いような印象ですね。