博多港へのクルーズ船寄港は、今年で260回、来年は400回ほどが見込まれており、全国最多の規模となっています。
巨大なクルーズ船は、一回の寄港で数千人の乗客を乗せており、福岡市内・周辺には爆買、飲食店利用、観光地訪問など大きな利益をもたらしています。
しかし、良いこともある反面、入国管理での審査の長時間化、観光バスの不足、観光・ショッピング施設周辺の交通渋滞などの負の面も大きな問題となっています。
クルーズ船は、博多港の中央埠頭や箱崎ふ頭に接岸し、乗客は観光バスで市内の福岡タワーで福岡市の眺望を楽しんだり、キャナルシティ博多などでショッピングしているのが普通です。
福岡タワー周辺やキャナルシティ周辺で深刻な交通渋滞が生じています。
特に、免税品店ラオックスのあるショッピングセンター、キャナルシティ博多では大型観光バスの駐車場がなく観光バスはキャナルシティの前で乗客を降ろし、バスはいったん市内の別の駐車場で待機して、観光客がショッピングを終える頃に迎えに行くといったパターンとなっています。
この乗客の乗降も一般道で行うため、観光バスが数珠つなぎになり、そのあおりで一般車もなかなか通行できないといった状況です。
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福岡市役所にクルーズ船受入調整担当課を2016年1月に新設
これらの問題に対処しようと福岡市は、バス事業者、旅行会社、観光施設、大規模商標施設の関係者・団体などと「博多港クルーズ船受入関係者協議会」を設立しました。
このようなことから協議会の円滑な機能発揮とクルーズ船受入の課題克服のため、福岡市は専門部署の「クルーズ船受入調整担当課」を2016年1月に新設することとしました。
当面の具体的な活動は、観光地ごとにバスが到着する時間や台数などが事前に把握できるホームページの新設、バスが集中する観光地には交通整理員を設置するようで、これらの関連事業費として約1300万円を今年度一般会計補正予算に計上し議会に提案しています。
また、観光バスの待機場を中央ふ頭と箱崎ふ頭に新設し、使用料1日1台2000円を徴収するための関連条例の改正案も議会に提出しています。
世界最大級22万トンクルーズ船が接岸できるように岸壁延長
博多港の岸壁には、今年6月に16万7800トン、全長348mクァンタムオブザシーズが入港しました。
さらに、カリブ海島に就航している世界最大のクルーズ船、22万トン、全長361mのオアシス・オブ・ザ・シーズに対応できるよう岸壁を整備します。
オアシス・オブ・ザ・シーズ Oasis of the Seas Photo by John Cook
博多港に大型クルーズ船が入港すると、博多港国際ターミナルやクルーズセンターがある中央埠頭に接岸します。また、同時に2隻入港する時には、少し離れた箱崎ふ頭にもう一隻を接岸させます。
箱崎ふ頭は、本来貨物船のための埠頭のために、乗客は不便を強いられます。
そのため、22万トン級の接岸にも対応できるよう現在の中央埠頭の博多港国際ターミナル側岸壁を延長し長さ450m、水深12mの岸壁にします。
また、中埠頭の国際ターミナルの反対側の岸壁を長さ370m、水深12mのクルーズ船用岸壁に整備することにより、中央埠頭に同時に大型クルーズ船が接岸できるようにします。
メガシップのクルーズ船を受け入れるためには、ソフト、ハード両面の整備が必要で、これらに本気で取り組まなければ、沖縄那覇港などの入港受入拒否に繋がるおそれがあります。