三菱重工長崎造船所で建造中のドイツにあるアイーダ・クルーズのアイーダ・プリマについては、次のように当サイトでも記事を掲載してきました。
アイーダ・クルーズ アイーダ・プリマ 三菱重工長崎造船所から、今年9月引き渡しか?
国内建造最大のアイーダ・プリマが三菱長崎造船所で進水しました。
記事にもあるように、来月が納期となっていたのですが、三菱重工業が8月5日に納期を再度延期すると発表しました。
三菱重工業からの延期の理由は、次の通りです。
本件は、最高の快適性、エンターテイメント性を備えた高い品質の客船を提供するために、客先とともに新たな納期を検討することにしたものです。
アイーダ・プリマはアイーダ・クルーズの最大船となり、最先端の省エネ技術、自動化、省人化技術、屋内型ビーチなど次世代型客船を目指しています。
アイーダプリマ Aida Prima Photo by グーグル著作権フリー
しかし、新しい取り組みであればあるほど、プロトタイプの宿命ですが、設計作業の遅れ、細部の設計変更、やり直し工事などが発生していました。
そのため、今年の3月の納期を9月に延期していたものですから、9月の納期自体が約束通りになるのかどうか注目されていました。
長崎造船所11年ぶりの大型客船受注で作業員4000人体制で頑張ってもその9月も納入できないことになり、残念ですね。
じゃ、次の納期は何時かということですが、アイーダと協議中で決まっていないそうです。
しかし、長崎造船所のダメージも相当大きなものがあり、長崎造船所が受注しているアイーダの客船2隻で2014年と2015年度の累積で損失処理額は1337億円と拡大しています。
長崎市の基幹産業の一つである長崎造船所がこのようなトラブルを起こしては、地元は心配ですね。
クルーズ・ブームで福岡をはじめとする西日本・九州の各地は中国人クルーズ客等の爆買いに湧いていますが、このような負の面もあることに注目しておくべきと思います。
また、マクロの面では、9月納期を見越して、アイーダ・クルーズも10月から横浜港からドバイ行きクルーズとドバイからハンブルグ行きクルーズを設定していましたので事態は深刻です。
アイーダは、日本に販売代理店がないので、JTB、ベストワンクルーズなどでは取り扱っていないクルーズ船社です。
ネット情報によるとドイツ語のサイトですが、10月1日東京発ドバイ着50日間のクルーズを4295ユーロ、東京発上海着クルーズ2295ユーロ、その他横浜発シンガポール着、ドバイ発ハンブルグ着クルーズなどを販売していたそうです。
これらも全部キャンセルですから、予約していた方はもちろん旅行会社も大迷惑ですね。
なかなか難しいとは思いますが、納期が遅れるという情報をもう少し早く出したほうが良かったですね。
アイーダ・プリマ Aida Primaについて
総トン数 | 124,100 トン | 竣工年 | 2015?年 | 全長 | 300m | 全幅 | 37m |
航海速力 | 22ノット | 乗客定員 | 3,300人 | 乗組員数 | 未発表 | 船籍 | イタリア |
三菱重工長崎造船所で建造中のアイーダ・プリマはドイツ人の好みと日本の技術が融合する船です。
そのために建造が遅れ気味になっていることは否めませんが・・・
寒い冬のドイツらしく、15~16デッキの「アイーダ・ビーチクラブ」、14デッキの「フォーエレメンツ」は、ジャグジーやプールがあるソラリウムで日光浴と水遊びができます。
また、キャビンでも「ラナイキャビン」には、バルコニーの手前に温室のようなソファエリア「ウィンターガーデン」が設置されます。
また、クリスマスマーケットクルーズでも紹介しましたが、ドイツ各地のクリマスマーケットをイメージして装飾がなされ、名物のホットワインも飲むことができます。
グルメでもアイーダプリマは魅力的です。
カジュアル客船ですので、3食ビュッフェが基本で、コース料理は有料レストランとなります。
フランス料理の「フレンチ・キス」、地中海料理の「カサ・ノヴァ」が設けられます。
また初めての試みとしてクッキングスクールも新設されます。
寄港地でシェフが同行して市場で買い物をして楽しむことができます。