クルーズ・船旅の最大の楽しみの一つが食事ではないでしょうか。
なにしろ大きい船と言っても、外の海に出るわけには行きませんので、ある意味閉ざされた空間で1日を過ごすわけですから、いろんなイベントがあると言っても、食事は非常な楽しみとなるわけです。
朝食、昼食、夕食と基本的には1日に3回ありますが、船上の食の楽しみはそれだけではありません
朝食と昼食の間のモーニングティー、ランチの後のアフタヌーンティー、ディナーの後の夜食など1日に6回も自由に取ることができ、ほとんどが無料です。
しかし、回数が多ければいいというわけでもなく、満足のできない食事であれば、いくら客室が立派で施設が整っていても、乗る価値はないクルーズ船と言っても過言ではないでしょう。
食事に満足が行くと言っても、個人差もあり難しいことではありますが、一つには違和感のない食事ができることが求められます。
日本食があるかどうかが大事
いくら美味しい食事でも、フレンチなどの洋食ばかりではさすがに閉口する人も多くいます。
日本人の乗客にとって、最大の問題は日本食が出るか出ないかでしょう。
この点では、飛鳥Ⅱなどの日本船は、あまり問題はありません。
外国船では、ほとんど期待できないのが実情ですが、日本発着のプリンセス・クルーズなどは、日本食サービスを充実させてきており、ダイヤモンド・プリンセスに寿司レストランを新設しました。
また、国産米を使用する和朝食、ビュッフェの和食メニューなども好評です。
ホーランドアメリカでは、全ての船のメインダイニングで鮭のグリルやご飯がひとつのプレートになっている「ジャパニーズ・スタイル・プレート」があります。
日本発着以外では、MSCクルーズの「スプレンディダ」と「ファンタジア」のビュッフェレストランでランチタイムの日本食を2014年4月から提供しています。
また、「ポエジア」と「ムジカ」の寿司バーでは、寿司や天ぷら、蕎麦などの日本食を用意しています。
MSCムジカの日本食 Photo by Jorge in Brazil
外国船の食事は?
そもそも、外国船の大型客船は、大勢のお客の食事をこなすために、大量に料理を作っているために繊細な料理はあまり期待しないほうが良いと思います。
7日間のコースでは、季節を通じて曜日ごとに同じメニューとなり、冷凍で用意されており、機械的に出てくるようです。
クイーンエリザベスやクイーン・メリー2のようなラグジャリー船のキュナードでも、イギリス伝統の食事の不味さは変わりません。
しかし、キュナードは、英国仕込みの洗練されたサービスがありますので、これらを加味しますとそう悪くはない食事だと言われています。
大型客船の最大の顧客が、アメリカ人の中産階級なので、料理もその味覚に合わせざるを得ず、大量に用意し大味となるのはしかたがないことかもしれません。
アリュール・オブ・ザ・シーズの食事 Photo by Dixon Tam
ただ、シーボーンなどのラグジュアリークラスの小型船は、さすがに冷凍ではなく、港の良い食材を仕入れていますので、頭ひとつ抜けているようです。
また、日本籍の飛鳥Ⅱやにっぽん丸は、外国船に比べると日本人の好みに合わせた料理を提供しています。
飛鳥Ⅱは、以前はホテルオークラの指導を受けていましたし、にっぽん丸は「食のにっぽん丸」として定評があります。
また、にっぽん丸は、世界一周でも一度でも同じ食事を出さないことで有名です。