2014年4月、韓国珍島沖で韓国フェリー転覆事故で「セウォル号」に乗船していた乗客・乗員の300人以上が死亡・行方不明となりました。
また、2012年1月には、コスタ・クルーズのクルーズ客船「コスタ・コンコルディア」がイタリアのジリオ島沖で座礁し、浸水転覆し死者30人、負傷者60人の被害を出しました。
いずれも、天候等は悪くはなく、船会社の積み過ぎ、乗員の運航ミスにより事故となったものです。
つまり、海難事故は海の状況に関係なく、突然起こることがよくあります。
韓国の事故の場合、乗客や乗員に徹底した避難訓練が行われていれば、あのように悲惨な事故とならなかった可能性があります。
避難訓練 ボートドリル
クルーズ客船では、国際海事法によって乗船後24時間以内に「避難訓練 ボートドリル」が実施することが義務付けられており、全員参加になります。
飛行機の場合は、シートに座ってビデオを見ているだけですが、クルーズ客船の避難訓練は、実際に、ライフジャケットを着用し体を動かして参加します。
基本的には、乗船初日に行われますが、夜遅く出港した時などは翌朝行われることもあります。
大体は、ディナー前の時間帯に行われるのが一般的です。
避難訓練の前には、あらかじめ船内放送で避難訓練を実施することがアナウンスされますので、客室で待機しておいてください。
サイレンや船内放送で、避難訓練の開始が告げられ、「客室にあるライフジャケット(救命胴衣)を着て、自分の避難集合場所まで行くように」との指示があります。
避難集合場所については、客室ドアやライフジャケットに記載されていると思います。
基本的には、自分が乗る救命ボートの近くです。
photo by Scott Ableman
ライフジャケットの位置や有無は、当サイトの記事「客室のチェック」にも書いているように、最初に客室に入ったら確認しておいてください。
通常は、クローゼットの中、ベッドの上、下に置いてあることが一般的です。
救命胴衣ロッカー Photo by george stopka
また、客室だけではなく、デッキなどにも置いています。
ライフジャケットは、きちんとベルト・ヒモを締めておきましょう。
Photo by Kent Kanouse
客室のドアを出ると、避難訓練では係員が誘導してくれますのでそれに従ってください。
ただし、本当の緊急時には係員がいないこともありますので、この際、避難経路をしっかり頭に入れておいてください。
緊急時には、エレベーターは停止してしまいますので、集合場所には歩いて行くことになります。
実際に救命ボートに乗るまでの訓練は行われませんが、緊急時の対応やライフジャケットの装着の仕方の説明があります。
最近では、参加しているかどうかの点呼もあります。
避難訓練が終了したら客室に戻り、ライフジャケットを元の位置に戻しておきます。
ズルして参加していない場合は、後日、客室に再訓練の通知が届き、改めての参加が求められます。
再訓練は、最初の訓練よりも時間がかかることがありますので、体調が悪い場合を除き、自分の命を守るために最初の避難訓練に参加しましょう。
最初の避難訓練は、概ね20分程度です。
ちなみに、私が体験した飛鳥Ⅱの1泊2日のワンナイトクルーズでは、避難訓練はありませんでした。いいのかな、これで。