豪華クルーズ客船のクイーン・エリザベスは、鹿児島港を出航し2014年3月17日午後11時頃、横浜港に入港しました。
鹿児島港の入港に際しては、何の問題もなかったクイーン・エリザベスでしたが、横浜港ではある問題がありました。
それは、横浜ベイブリッジです。
実は、航路限界という言葉があり、船が通る橋の桁下の高さの制限値のことを言います。
クイーン・エリザベスは、水面から56.6mの高さがありますが、横浜ベイブリッジの航路限界は、つまり満潮時の水面からの高さが55mしかありません。
そのため、普通ではクイーン・エリザベスはベイブリッジを通れませんが、干潮時は、海面が2mほど低くなりますので、それを利用してベイブリッジをくぐりましたが、橋との間はわずか1~2m程度でした。
ベイブリッジが完成したのが1989年のことです。
当時では最大級の船だった2代目のクイーン・エリザベスが通過できる高さで設計しました。
しかし、それ以降、クルーズ客船は大型化の一途をたどり、2010年には「クイーン・メリー2」、2013年5月には「ボイジャー・オブ・ザ・シーズ」が横浜港に来航しましたが、横浜ベイブリッジをくぐれずに大黒ふ頭に着岸しました。
大黒ふ頭は、客船用の埠頭ではなく、貨物のための埠頭です。
そのため、荷物に囲まれた場所に着岸した感じになります。
さらに大黒ふ頭のほとんどの場所が立ち入り禁止区域となっていて、一般の人が船を出迎えることもできません。
大さん橋には、近くに観光スポットや繁華街もあることから大さん橋に大型クルーズ客船が着岸できることが望まれます。
また、2020年に東京オリンピックが予定されている東京港では、クルーズ客船の新拠点も計画されており、青海コンテナ埠頭北側に全長430mの桟橋の整備が予定されています。
クイーン・エリザベスが着岸した大さん橋には、蛍光のペンライトを持った大勢の人が出迎えました。
また、着岸したその日には、平日にもかかわらず、多くの見物客が押し寄せました。
40年前1975年、初代クイーン・エリザベスが日本初寄港で横浜港に入港した際には15万人もの人が見物に来て、大フィーバーとなりました。
船内見学会もあり、乗船した1階のロビーには、天然の木材で作られた初代クイーン・エリザベスの寄木細工の壁画があります。
デッキ11には、プリンセス・グリル・レストランがあり、ほぼ全面ガラス張りとなっており大変眺めのよい豪華レストランです。
デッキ9には、ロイヤル・スパ&フィットネス・センターがあり、海を見ながら汗をかけるフィットネス・ジムも完備されており、ヨガやピラティスもできます。
デッキ5の客室、プリンセススイートは約31㎡の広さがあり、バルコニーと大きなベッドが備えられています。
気になる料金ですが、プリンセススイートで世界一周クルーズをすると、一人あたり570万円になりますが、基本的な飲食費も含んでいます。
また、デッキ3には、ブランド品などが買える「ロイヤル・アーケード」や歌やダンス、マジックなどの様々なショーが見られる劇場「ロイヤル・コート・シアター」、「エンパイア・カジノ」、図書館、イギリス風のパブなど優雅で気品あふれる施設が満載です。
着岸した当日は見学会などが行われた後、17日の夜には、また干潮時を狙って神戸港へ向けて出航します。