2016年1月31日の午前1時15分頃、長崎市香焼町の三菱重工長崎造船所香焼工場で、「アイーダプリマ」で火災が発生しました。
アイーダプリマは、18階もある巨大船ですが、7階の通路にあったダンボール等が燃えているのをフィリピン籍の男性作業員が火災を発見し、作業員らが消火器で消し止めたそうでうす
出火したのは、船体中央部のレストランの出入り口付近で、燃えたのは資材入りの段ボール箱、断熱材、シートなです。
出火当時、船内には400人程度の作業員等がいましたが、時間が真夜中過ぎですから作業はしていませんでした。
幸い、負傷者などはでなかったのですが、問題は付近に原因となるような火の気もなく、警察によると放火の可能性もあるとのこと。
アイーダプリマは、1月11日夜にも同じレストラン区域で床や天井など約50㎡を焼く火災があり、さらに1月13日夜にも今度は5階の客室区域で作業用の布が焼けるぼやが発生していました。
そして、1月31日深夜の今回の火災で実に1ヶ月に3回も火災が起きたわけです。
放火犯人は?
それにしても、放火とすれば何の目的で放火するのでしょうかね。
建造中の客船に放火して、考えられるのは工期の遅延などでしょうが、そんなことで誰が放火までして得するのでしょうか?
作業員等が、労働トラブルや何らかの私怨で頭にきてやったのでしょうか?
しかし、街中ならいざしらずある意味密閉空間の船内で、火災発生時間も特定できるのですから犯人を特定するのはそれほど難しくないと思うのですがそれでもやったとすればよほですね。
フィリピン作業員も従事しているようですが、三菱重工長崎造船所の人事管理体制や船内のセキュリティ管理体制も問われてくる話ですね。
アイーダプリマの今後の展開は?
1月31日の火災は軽微のようなので、物理的な工事は影響ないでしょうが、事故再発を防ぐ今後のセキュリティが重要ですね。これ以上、トラブルが発生し続けるとアイーダ側も気分が良くないだろうし、気分だけならまだしも引取り拒否や何らかのペナルティもあるかもしれません。
また、アイーダ社は、アイーダプリマの処女航海クルーズを5月に予定しているようで、これもすでに完売状態だと聞いています。
このクルーズデビューから逆算すると、今月、つまり2月中には長崎を出港しなければならないというデッドラインを迎えます。
現在、突貫工事中ですが、場合によっては、長崎を出港しても、作業員を乗せたまま内装工事などを続けながらの約1ヶ月半の航海となる公算も強いようです。
また、納期遅延のペナルティが、現在1日約7000万円もかかっているとの話もあり三菱は踏んだり蹴ったりの状況です。
何としても、今月末にはアイーダプリマは長崎からドイツへ出港しなければならないのですが、そういくように祈るばかりです。