エクスプローラーオブ・ザシーズ

カリブ海クルーズ エクスプローラーオブ・ザシーズのノロウィルス食中毒について詳細情報

乗員乗客4000人以上をを載せたクルーズ客船エクスプローラーオブ・ザシーズのノロウィルス集団食中毒騒動の続報です。

悪夢のようなクルーズを終えて帰ってきた乗客の話からノロウィルス中毒の実態が次第に判明してきました。

予定されていた11日間のクルーズを2日切り上げて、すでにエクスプローラーオブ・ザシーズは、アメリカのニュージャージー州のケープリバティ港に帰港しました。

全米のクルーズ史上最悪とも言われているノロウィルスによる集団食中毒は、当初300人程度と言われていましたが、700人以上と拡大しています。

1月21日に、エクスプローラーオブ・ザシーズは、乗客乗員4236人を載せニュージャージー州のケープリバティ港を出港しました。

世界最大クラスのクルーズ会社「ロイヤルカリビアンインターナショナル」社が誇る同船は、全長310m、高さ63m、15階建て、137000トンの巨大船で、メインダイニングをはじめ20ヶ所のレストラン、10個のプール、スケートリンク、ロッククライミングの施設があります。

今回のカリブ海クルーズは、10泊11日の日程で、カープリバティ、ハイチ、プエルトリコ、セント・トーマス島、セント・マーチン島などを巡る予定でした。

クルーズの料金は、約80000円~280000円でした。

カリブの島々を優雅に周るクルーズでしたが、出港後24時間で1人のノロウィルスの感染者が出ました。

その患者は、何の兆候もなく、突然に嘔吐と下痢が発生しました。

その後、次々と同様の症状を訴える人が続出し、船側はこれらの人々をキャビンに隔離していき、すぐに船内の消毒を実施しました。

出港後4日目まで、感染者は増加するばかりで、ある患者は医務室に行くと、200人位が列んでおり、3時間待って順番が来ても、もはや診察してもらえる状況ではなく、注射をしただけで帰されたそうです。

エクスプローラーオブ・ザシーズは、最初の寄港予定地のハイチには寄らずに、プエルトリコに入港しそこで大規模な船内消毒をしました。

翌日には、近くのセント・トーマス等に入港し、そこでアメリカ疾病予防管理センターが調査、対策に入りましたが、ノロウィルスには何の手立てもありませんでした。

出航から1周間の7日目には、集団食中毒の患者は600人を超える事態になりました。

ノロウィルスは、船内では手すりや食べ物など人の手を介して一気に広がるものです。

実は、船内のレストラン等は、クルーズ中通常通りに営業されていて、このことが感染者が広がる一因となったようです。

また、3日経った時点でも、船内の乗客には食中毒が広がっているとの情報が提供されていずに、全く知らない乗客もいました。

だから、症状が出ていた人も、単なる食あたりと思って船内を散歩したりした人もいました。

このようなことからノロウィルスに感染した人も、その自覚がなく部屋から出て行き、どんどん広がったようです。

船の共同トイレは30ヶ所あり、何も知らずに感染者が使用したトイレを使っていた人も多いと見られています。

また、複数の乗客から乗船前から船が汚染されていた可能性も出てきています。

「出発の日、エクスプローラーオブ・ザシーズは2時間も遅れて港に入ってきました。そして前の客が降りたすぐ後に、次のクルーズの客を乗せました。何も知らずに、次の客達はビュッフェに直行し、その2日後に患者が発生しました。」とある乗客は証言しました。

また、船内が汚かったので写真を撮った乗客もいました。

別な乗客は、「自分が乗船した時に船から降りてきたのが友人でした。その友人が船を降りて、2日後に自分と同じ症状になったと連絡してきました。つまり、あの船には自分達が乗る前からノロウィルスに感染していた可能性があります。」と言いました。

しかし、ロイヤルカリビアンインターナショナル社の業務部長は、「インフルエンザのようなもので防ぎようがないのです。船内に原因はありません。乗客が持ち込んだものです。船は清潔に保たれていて、世界中どこでも起きることが船内で起きたので注目を集めているだけです。」と言っています。

果たして防ぎようのない集団感染だったのか、それとも船に問題があったのか、逃げ場のない洋上でのノロウィルス騒動ですが、対策はあるのでしょうか?

船会社の方では、今回のクルーズの代金の50%を返却し、また1年以内にクルーズを利用するのであれば50%の割引をすると言っていますが、乗客の多くはもうクルーズに行きたくないと言っているそうです。