ロイヤル・カリビアン・インターナショナルは、世界最大の22万トン級クルーズ客船であるオアシス・オブ・ザ・シーズ Oasin of the Seas とアリュール・オブ・ザ・シーズ Alure of the Seas を保有しています。
同社は、近年、世界最大客船志向をやめたようで、2014年に新造したのは16万トン級のクァンタム・オブ・ザ・シーズ Quantum of the Seas です。
総トン数 | 16万8666トン | 就航年 | 2014年11月 | 全長 | 348m | 全幅 | 41m |
航海速力 | 22ノット | 乗客定員 | 4,180人 | 乗組員数 | 未発表 | 船籍 | バハマ |
海上からブームを伸ばして90mの高さまでもっていく宝石型展望カプセルの「ノース・スター NORTH STAR」、スカイダイビングをバーチャルに体験できる施設の「リップコードアイフライ RIPCORD BY iFLY」、そして船尾には270度の眺望が開けて、美しいウェーキを見ることができる吹き抜けのラウンジTwo70’sが設けられています。
同船は、2015年春にはアジアに配船され、6月には中国発着で日本寄港も予定されています。
クァンタム・オブ・ザ・シーズ Photo by Michael Tosta
最大の特徴はスマートシップ化、衛星回線利用のストレスフリーのインターネット環境とスマホアプリのシステム
しかし、ハードだけでなくソフトにも力を込めていて、デジタル技術をふんだんに取り入れた最新の「スマート・シップ」となりました。
当ブログでも紹介していますが、飛鳥ⅡのWiFi環境は相当遅れていて、やっと取り入れたばかりです。しかも、船内の一部エリアだけでしか使えず、それも利用料金は高額です。
クァンタム・オブ・ザ・シーズの衛星通信回線は、通常の客船の約500倍で、ストレスフリーなインターネット環境となっています。
というのも衛星サービスを提供するO3bネットワークと提携し、世界中の他の客船を集めたよりも広い帯域幅を確保していて、乗客は公海上でもネットに接続し続けることができます。
それだけでなく、事前にインターネットでチェックインでき、そうすれば10分で乗船できるそうです。
また、タブレット型パソコンとスマホの専用アプリ「ロイヤル・アイ・キュー ROYAL IQ」を使用すれば、ディナーや寄港地のオプショナルツアーの予約も簡単にできます。
またこのシステムでは、荷物追跡サービスがあり、専用タグを荷物につけることで、預けた荷物の位置を確認できます。
つまり、乗船時に預けたスーツケースが部屋に届かなくて困るというメガシップにはありがちなトラブルもこれでかなり軽減できることになります。
なお、船内にもタブレットステーションがあり、iPadなどを持っていない方は、こちらを利用してください。
タブレット・ステーション Photo by Margalit Francus
また、「WOWバンド」が新しく導入されました。
これは、従来のシーバスカードにかわるもので、これを腕に装着すると、埋め込まれているICチップにより、かざすだけで船内の支払い、客室の鍵の開閉が可能になります。
また、シリコン製なので着けたままプールで泳ぐこともできます。
WOW BAND Photo by Margalit Francus
なお、スマート・シップを理解するために、英語ではありますが、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社のビデオがありますのでご覧ください。
バーチャル窓のある客室、WOWバンドなどの実際の映像を見ることができます。
http://www.royalcaribbean.com/quantumoftheseas/technology/#prettyPhoto/0/
船尾に新しいリラックス空間、トゥーセブンティー・ディグリー Two70’s
Two70’sは、船尾に作られた2そう吹き抜けのラウンジです。
270度の眺望が広がっており、船尾からつながる航跡などを楽しむことができます。
Two70’s Photo by Margalit Francus
夜には、この巨大な窓がスクリーンに転じ、デジタル技術を堪能できる映像と音のパフォーマンスが繰り広げられます。
さらに、リアルなパフォーマンスと融合させることによりクリエイティブなショーを楽しむことができます。
また、「バイオニックバー Bionic Bar」では、ゲストがタブレットで注文すると、2つのロボットアームが動き出し、バーテンダーよろしくカクテルを作ってくれます。
このカクテルのレシピは、ほとんど無制限で、31以上のスピリット、8つの炭酸、ジュース、ミキサー、砂糖、ミント、ライムが選べます。
Bionic Bar Photo by Anthony Quintano
内側バーチャルバルコニー客室と一人用客室
メガシップの内側客室は、窓がないので閉塞感がありますが、クァンタム・オブ・ザ・シーズには、「内側バーチャル・バルコニー客室」が新設されました。
この客室は、窓を模したスクリーンに外の映像をリアルタイムに映し出すものです。
映像はかなりリアルなもので、朝焼けや夕焼けも見えるそうで、バーチャルな窓にはカーテンも付いています。
Cabin Photo by Margalit Francus
また、1人で船旅を楽しむ人のために、バルコニー付きの新しいワンルームタイプの客室、「ストゥーディオ」などがあります。
ダイナミック・ダイニングで食事もIT化
スマート・シップ化は、食事のシーンにも反映されています。
「ダイナミック・ダイニング」というシステムにより、趣向の異なる4つのメインダイニングから毎晩好きなものを選べるようになりました。
クルーズ代金に含まれているメインダイニングの食事は、アジア料理、フランス料理、アメリカン・グリル料理、コスモポリタン料理の4つです。
ちなみにフランス料理の「ザ・グランデ」は、毎晩、ドレスコードがフォーマルに指定されており、ゴージャスな雰囲気で食事を楽しむことができます。
The Grande Photo by Margalit Francus
また、ロイヤル・カリビアンインターナショナルのクルーズ客船には、スイート客室専用のレストランはありませんでしたが、カリフォルニア・スタイルの地中海料理ダイニングが登場しました。
その他、有名シェフとコラボした洋上初出店の2つのレストラン、ステーキハウスを含めてレストランの数は18ヶ所となりほぼ満足できるような布陣となっています。
なお、ディナーの予約は、専用アプリの「ロイヤル・アイキュー」を使用します。