何かと話題の多い「アイーダ・プリマ」ですが、8月29日(土)に三菱重工長崎造船所香焼工場から五島近海に向けて試運転のため出港しました。
作業員や関係者数百人が乗船しており、基本性能の確認や機器類の調整が試運転の目的です。
試運転後は、8月31日に長崎港に戻ってくる予定です。
8月29日の午前8時頃、アイーダ・プリマはタグボートに引かれてドックを離れました。
ドックの対岸では、出港風景を見物したり、カメラで撮影をする市民や観光客も多くいました。
アイーダ・プリマは、ドイツのクルーズ船社、アイーダ・クルーズが三菱重工長崎造船所に発注したもので、同造船所としては11年ぶりの大型客船受注となっています。
日本で建造される史上最大の客船として話題の船です。
しかし、当サイトでもお知らせしていますように、納期の再延期、建造額の膨張による損失額の拡大などなかなかスンナリとした船出ができないようです。
今回、試運転までこぎつけましたが、最終納期がいつになるかはまだ発表されていないようです。
国内外のクルーズファンも期待をもって、初就航を見守っている状況ですからこれ以上のトラブルがないよう願っています。
アイーダ・プリマ Aida Primaについて
総トン数 | 124,100 トン | 竣工年 | 2015?年 | 全長 | 300m | 全幅 | 37m |
航海速力 | 22ノット | 乗客定員 | 3,300人 | 乗組員数 | 未発表 | 船籍 | イタリア |
アイーダ・プリマは、ドイツ人の嗜好と日本の技術が盛り込まれているクルーズ船と言われています。
私には、独特な船首の唇と目のデザインはあまり好みではありませんが、これもドイツ人の嗜好なのでしょうか?
なお、ビデオの画像と下の写真のデザインが微妙にというか、少し違いが見られます。
日本の技術は空気潤滑システム(MALS)を採用
日本の技術が採用されている点では、三菱重工長崎造船所初の空気潤滑システム(MALS)を搭載していることです。
これは、船底に空気を送り込み気泡で船体を覆うことで、船の推進抵抗を少なくする新しい省エネシステムです。
この技術は、すでにモジュール運搬船に搭載し、実用化に成功しています。
アイーダ・プリマ Aida Prima Photo by グーグル著作権フリー
ドイツ人の嗜好とは?
まず、船首の目と唇のデザインがドイツ人の嗜好とすれば、かなりずれているのではないのかというのが私の感想です。
ノルウェージャンクルーズラインのシップも、かなり船首部分に書き込んでいますし、ブリタニアもイギリス国旗のデザインを大きく描いていますので、最近の流行だと思いますが、もう少し描き様があると思います。
確かにインパクトはありますが・・・
ドイツは寒い国なので、日光浴が重視されるようです。
15~16デッキには「アイーダ・ビーチクラブ」、14デッキには「フォーエレメンツ」が設けられ、両方ともジャグジーやプールなどがある開放的な日光浴施設です。
また、新設された客室の「ラナイキャビン」では、バルコニーの手前にガラス張りのエリア「ウィンターガーデン」があり、ここでも陽光を楽しむことができます。
他にも200㎡のアイススケートリンクも設置されます。
アイーダ・プリマのグルメについて
アイーダ・プリマは、ランクとしてはカジュアル客船となります。
そのため、3食ビュッフェが基本スタイルで、コース料理は有料レストランとなります。
この辺が、クイーン・エリザベスなどのキュナードのシップとは異なる点ですね。
有料レストランとしては、フランス料理の「フレンチ・キス」、地中海料理の「カサ・ノヴァ」などを設置予定ですが、何やらセクシーなネーミングです。
注目すべきなのは、同社で初めてとなるクッキングスクールです。
料理を勉強するのが第一目的ですが、寄港地ではシェフと一緒に市場に買い物に行くことも楽しめるのがユニークです。
同じようなクッキングスクールは、他の船でも実施していますが、カジュアル船では珍しいものです。
アイーダ・プリマに乗ろうにも日本に代理店がない!!
アイーダ・プリマについては、日本国内のクルーズファンも大注目していて人気は高いようですが、残念なことに日本に代理店がありません。
ということは、乗船しようと思えば直接、ドイツ本国のアイーダクルーズに直接申し込む他ありません。
ところが、アイーダ・クルーズは、ドイツ語が基本で、サイトもドイツ語のみという有り様。
つまり、メールでの予約も可能らしいですが、ドイツ語が基本らしく、おまけに船内アナウンス、メニューなどドイツ語ですので、ドイツ語がある程度できないと難しいようです。
逆に、考えればドイツ語ができる方は、船内は日本人が少なく、ドイツ一色ですからドイツファンにとっては夢の様なクルーズが楽しめるでしょう。
いずれにしろ、日本の旅行会社等が日本語ができる添乗員同行ツアーなどを主催すれば、潜在的に乗船したい日本人は多いようですからヒットツアーになる可能性があると思いますね。