テレビ東京系列で放送されている人気番組に「和風総本家」があります。
番組のコンセプトは、「和のエンターテイメント番組」で、日本の職人に関する企画が多いことで知られています。
この番組で2014年5月22日の和風総本家スペシャルでは「巨大な日本を作る職人たち」をテーマに「潜入!客船㊙舞台裏・・・船旅を支える陰の職人」のコーナーがありました。
このコーナーで登場したのが、クルーズ客船の「にっぽん丸」です。
かなり、細かく紹介されていたのでその概要をお知らせします。
にっぽん丸の概要
にっぽん丸は3代目になり、総トン数2万2472トン、全長167m、全幅24mの日本の客船です。
にっぽん丸 By photo Daniel Remirez
8階まである船内には客室数202室に、最大乗客定員524名が乗り込みます。
2階はメインエントランス、6階に最高ランクのキャビングランドスイート 79㎡があり3LDkのマンションほどの広さがあります。これなら100日間の世界一周クルーズでも快適に過ごせます。
7階には、プールとそれを取り囲むカフェスペースのドテラスがあります。
3階は、大浴場のグランドバスまであり、船というよりリゾートホテルのようです。
にっぽん丸の歴史
初代は、昭和33年、1958年に南米航路の「あるぜんちな丸」として誕生たのを、日本初の外航クルーズ専用客船として改装したものです。
あるぜんちな丸 Photo by Googleライセンスフリー
外国人にも定評のあったサービスをレジャー時代にも引き継ぎました。
平成2年の1990年に3代目のにっぽん丸が就航しましたが、4年前の平成22年、2010年に大改装を施し、船体を白からブルーに変更しました。
白いにっぽん丸 Photo by naitokz
現在は、100日間の世界一周クルーズからお手軽な1泊2日のショートクルーズまで幅広い船旅が楽しめる日本を代表するクルーズ客船として活躍しています。
にっぽん丸の川野ゼネラルマネージャーは、「クルーズは目的地に着くためだけの個通手段ではなく、乗客の方全員が楽しむために来ているのでテーマパークと言ってもいいかもしれません。」と言っています。
出航前の準備
にっぽん丸が東京・晴海客船ターミナルに接岸すると、長いパイプがにっぽん丸のバルブに繋がれて燃料の給油が始まります。
燃料は、にっぽん丸の横に接舷している燃料積載小型タンカー、バンカーバージから積み込まれます。
1日に25mプール1杯分に相当する重油450トンほどが給油されます。
また、11日の国内クルーズ用として、乗客300名ほどの客室用飲料水約7000本、船内の装飾用生花なども運び込まれます。
出港30分くらい前に機関室から担当員によりエンジンが笛の合図とともにディーゼルエンジンが始動されます。
始動されたディーゼルエンジンの横には、5人ほどの機関員が立っており、動き始めると一斉にチェックが行われます。
このチェックは、まず、エアーランと言う空転(アイドリング)を行いインジケーター弁から何か燃料などが漏れていないかを確認しています。
にっぽん丸のエンジンは8気筒のディーゼルエンジンで、始動後の操作は操舵室、ブリッジに引き継がれます。
その後、船長がブリッジ外のウィングデッキに移動し、出港の操船を行います。
ウィングデッキに出るのは、出港時の船のサイドがよく見え、船の動きがよく分かるためです。
乗客への出港の合図は、船員がドラを叩きながら歩くことで行われます。
乗客は、デッキに集まり、シャンペンなどを片手に、またテープを投げるなどして出港を楽しみます。
にっぽん丸の出港